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Lamu-chan History

女の子なのに片足を上げてオシッコをする。 散歩に出掛ければ、電信柱、建物の壁、スキャフォールディングの脚、ゴミ箱や郵便ポストなど、とにかくひとつづつ入念に匂いを嗅いでは、少しづつオシッコを小出しにしてマーキングして歩く。 後年になってからは犬のオシッコの掛かった柱や建物の壁をペロペロと舐めるようになった。

「こら! やめなさい! 病気になるじゃない」

私はその度にラムちゃんを叱りつけていた。

 

その後いつだったか、自宅の部屋のトイレで用を足した後、トレーニングパッドに染み込みかけている自分のオシッコをペロッとやっているのを見かけた。 自分のオシッコなら問題ない。 犬は人間より本能的に敏感だから、きっと何か意味があってやっているのだろうと思って見ていた。

その後、ラムちゃんは自分の体に何か不調が起こる度に、自分のオシッコを頻繁に舐めている事に、私は気づいた。 「なるほど…」 飲尿療法については、私も以前に人から聞いて多少は知っていたし、自分で実践してみた経験も多からずあった。

「チッチ健康法ですか?」 

トイレから出て来たラムちゃんにそう言って微笑みかけた。 思い返せばこれがラムちゃんから私への最初のメッセージだった。 

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3歳を過ぎた頃から病気に罹る機会が増えた。 ラムちゃんは元々酷いアレルギー持ちで子犬の頃から食べられるものが殆どなく、常に身体中,湿疹だらけ。 湿疹の痕が脂肪腫に変わり、あちこちに小さなオデキができていた。 半年か一年に一度は歯周病で顔が腫れ上がるので、その度に抜歯して抗生物質を飲む。 甲状腺機能にも異常が出始めて、甲状腺ホルモンも飲んでいた。 椎間板ヘルニアの持病もあって、消炎鎮痛剤が必要になることも度々。 ある日曜日の朝5時頃、背骨の椎間板が破裂して大きな悲鳴をあげた。 すぐに救急病院に飛び込んで、数時間後に緊急手術。 その後、歩けるようになったものの、背骨の痛みは完全にはなくならず、後ろ足の機能に後遺症も残った。

 

そして15歳の時、膀胱炎に罹った。 抗生物質を飲むとすぐに症状が無くなった。 でも薬を飲み終えた翌日には症状が戻ってきた。 薬が効かない。 二度続けて薬を飲んでも治らず。 更に強い抗生物質を飲む事に。 三度目の抗生物質でやっと症状は無くなった。 でもたぶん薬に対するアレルギー反応から、薬を飲んでいる最中に二度、てんかん発作を起こした。

半年後、再度、膀胱炎。 ずいぶん酷い状態だという事は症状を見ていても、ドクターの言葉からも明らかだった。 ダメ元でもう一度抗生物質を飲ませたが、案の定、薬を飲み終えた翌日の午前中に症状が戻ってきた。

 

「もうこれ以上薬を飲ませる事は出来ない。薬に殺される...」 そう思った。 

 

八方塞がりの袋小路に追い詰められた気持ちだった。 そこで頭に浮かんだのがオシッコを飲ませる事。 彼女は体の調子が悪くなるといつも自分のオシッコを舐めていたのを思い出した。

 

ラムちゃんのオシッコは大量のバクテリアと白血球で白濁していて、血と崩れた内臓組織が混じってドロドロの状態だった。 膀胱の中で既にアンモニアが分解されているのか、凄い匂いもする。 

「Bacteria pee soup」(バクテリアオシッコスープ)   ラムちゃんのオシッコを見たドクターがそう言った。 

こんなものを飲ませたら内臓疾患を起こして死んでしまうんじゃないか? そう思った。

ネットで尿療法について検索したが、有用な情報は殆んど無い。 幾つかの人間医療の民間病院のWebページに、感染症のおしっこは二次感染を起こす危険性があるので飲むべきではない、と書かれていた。 

どうする? でも他に思いつく方法が無い。 ラムちゃんを抱き抱えて、採取したオシッコを彼女の顔に近づけた、するとすぐにペロペロと飲んだ。 奇跡が起こり始めたのは、この数時間後だった。

 

尿意を抑えることが出来なくてソワソワして、何度もお漏らしをしてしまっていたのが、半日も経たない間に落ち着き始めた。 翌日の午後には出血も止まり、3日目には完全に正常な状態に戻った。 この現実を目の前に、私は半ば、唖然としていた。

 

私が初めて飲尿療法を自分で実践してみたのは、20代の後半の頃だった。

「顔に塗ると肌がツヤツヤになるよ」 自分の体で尿療法の臨床実験をしていた内科医の友人がそう言った。 「腰痛にも効果が高いね」

私は、肌がツヤツヤになるという言葉に飛びついた。 

 

確かに肌には即効性の効果が見られた。 でもいくら尿を飲んでも、それが自分の体の中でどういう風に作用しているのかを実感する事はできなかった。 私は小学生以降、病気らしい病気はした事がなかった。 不調と言えば、時折、腰がちょっとだるくなるか、不摂生で胃が痛くなる程度だ。 

尿は非常に飲みにくかった。 飲んだ後で口の中に残る後味がたまらない。 毎日朝一、寝ぼけ眼であの気分を味わうのは、正直抵抗があった。 美容の為だけなら、外用的やり方だけで充分ではないか? そんな風に考えたまま、何年もの歳月が過ぎた。

 

ラムちゃんの膀胱炎の不快症状がなくなってから数ヶ月、毎日、オシッコを飲ませ続けていたにも関わらず、何故か尿の中のバクテリアだけはいなくならなかった。 食事をする時に牙が当たることでできた唇の小さな擦り傷からバイ菌が入って、唇が腫れ上がる、という事が数回あった。 飲尿を初めてから少しお腹が緩くなった事もあって、もしかして、このままバクテリアまみれの尿を飲ませ続けない方がいいんじゃないか? もし膀胱炎が戻ってこないなら、飲尿をやめてしまっても構わないんじゃないか?と考え始め、中止してしまった。

 

それからたぶん、1~2ヶ月過ぎた頃、以前から耳の先にあった小さな脂肪腫が細胞変異を起こした。 白っぽかった米粒数個分ほどのできものは、ピンク色の筋肉の様な硬い肉の塊になってどんどん繁殖し、全体でわずか5ミリほどだったものが3週間ほどで、直径3、5センチ、厚さ1、5センチくらいの肉腫になった。 そしてそれは際限無くどんどん巨大化する。 

 

既に17歳を過ぎた小さな犬に、麻酔をかけて腫瘍を切り落とす手術をするのは命の危険が伴う為、幾つか別の方法を試したものの、肉腫の繁殖の異常な速さに治療が追いつかない。 肉腫は感染症を起こし、出血し続ける。 このままでは身体中にバクテリアが回ってショック死する危険があると言われて、結局、一か八かで耳を切断して肉腫を切り落とす手術をする事になった。

 

手術は無事成功し、ラムちゃんは元気で帰ってきた。 だがホッとしたのも束の間、お尻の皮膚から出血しているのを見つけて、よく見ると…、耳にできた肉腫と同じ様なピンク色の肉の塊…  既に直径1、5センチはある。手術からわずか1週間。 肉腫が転移して再発した。 もしかしたら、こういう事もあろうかと、うすうす思ってはいたが、それにしてもたった1週間。 愕然だった。 体の中に原因があれば、その原因そのものを取り除かない限り、幾ら局部を削っても、また別の場所に現れる。

 

翌日から飲尿を再開。 肉腫のできた局部にオシッコ湿布も同時に始めた。 膀胱炎の時と同様、効果は私の想像を遥かに超えていた。 飲尿と湿布を始めてから約1週間で肉腫は崩れてほぼなくなった。 湿布は念の為、2週間続けた。 すると以前より肌がスベスベになって綺麗になるという嬉しい副作用も加わって、肉腫は跡形もなく消えてしまった。 

 

よく考えてみれば、ラムちゃんの耳の肉腫は、私が尿療法をやめてしまった事で起こったのかもしれない、そう思った。 耳に肉腫ができた時に、すぐに尿療法を再開していれば、ラムちゃんは耳を切り落とさずに済んだのかもしれない。

私が尿療法の驚くべき効果にもっと早く気づいていれば、ラムちゃんにもっと病気の少ない健康的な生活をさせてあげる事ができたのかもしれない。 

 

これは17歳半で天国に召された私の愛犬ラムちゃんが、私に残してくれた事実の証明です。

尿療法の効果を出来るだけ多くの愛犬家に知ってもらいたい。 例えたった一人でも、自分の愛犬に尿療法を実践し、それで大切な愛犬の病気が治り、喜んでもらえるペットオーナーが現れればきっと価値がある。 そんな思いでこのWebサイトを立ち上げました。

 
 

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